RS232C
RS232C規格の正式名称はEIA-RS-232C規格です。
電子工業会 (EIA) によって標準化されたシリアル通
信規格です。この規格は、DTE(端末/PCなど)とDC
E(プリンター、モデム、スキャナーなど)の間のシ
リアルデータ交換インターフェースの技術標準を定
めたものです。同時に、コンピュータと関連機器間
の低速のシリアル データ通信の物理インターフェ
イスとプロトコルについても説明します。RS232C
規格は、もともとテレプリンタ機器用に開発されま
した。
詳細情報
1.RS232Cの電気特性
RS232Cインタフェース上の任意の信号ラインの電圧は負論理の関係にあります。つまり論理 “1”は
-3〜-15Vです。論理”0″ は +3〜+15Vです。TTLレベルと互換性がないため、TTL回路に接続するた
めにレベルシフト回路が必要です。RTS、CTS、DSR、DTR、CD制御ラインレベルの定義:
信号有効=+3V~+15V 信号無効=-3V~-15V
2.RS232Cの通信
RS232Cは、シリアル通信プロトコルを採用した規格で、同期式通信と非同期式通信がサポートさ
れています。シリアル通信では、1ビット幅のデータを1本の回線で伝送し、1バイトのデータを8回
に分けて下位ビットから上位ビットの順に1つずつ伝送します。
同期式通信:
同期式通信とは、取り決められた通信速度で、送信側と受信側のクロック信号の周波数と位相が常
に一致していることを意味し、通信相手がデータを送受信する際のタイミング関係が完全に一致し
ていることを保証します。同期式通信の利点は、送信する情報のビット数がほぼ無制限であり、1回
の通信で送信できるデータ量は数十バイトから数千バイトに及び、通信効率が高いことです。デメ
リットとしては、通信プロセスが複雑なことです。
非同期式通信・調歩同期式通信:
非同期通信では、キャラクタ形式でスタートビットとストップビットを設定することで、送信側と
受信側の同期をとります。有効なキャラクタが正式に送信される前に、送信機は最初にスタート
ビットを送信し、次に有効なキャラクタ ビットを送信し、キャラクタの最後にストップ ビットを
送信し、スタート ビットからストップ ビットまでがフレームを構成します。
スタートビット
1ビット時間続く論理 “0” レベルは、文字の送信の開始を示します。
データビット
データ ビットはスタート ビットに続き、通信における実際の有効な情報です。
通常は、5/7/8ビットです。
パリティチェック
パリティ ビットの 1 ビットは奇数または偶数のパリティに使用されます。 パリティビットは必要
ありません。 奇数パリティの場合は、送信データに合計奇数の論理”1″が含まれることを確認する
必要があり、偶数パリティの場合は、送信データに合計偶数個の論理”1″が含まれることを確認する
必要があります。
例: 送信されたデータ ビットが 01001100 であるとします。奇数パリティの場合、奇数パリティ
ビットは “0 “(奇数個の 1 があることを確認してください)、偶数パリティの場合、偶数パリティ
ビットは “1 “(偶数個の 1 があることを確認してください)。
ストップビット
データの終端を表すビットの長さを設定する。通常は、1/1.5/2ビットから選択します。
ハードウェアフロー制御(RTS/CTS,DTR/DSR)
データ受信側が制御ラインを有効にすると、データ送信側は受信側にデータを送信できます。
データ受信側に無効な制御ラインがあり、データ送信側はデータの送信を停止します。
ソフトウェアフロー制御(XON/XOFF)
データ受信側はXOFF(0x13)を送信し、データ送信側は受信後データの送信を停止します。
データ受信側はXON(0x11)を送信し、データ送信側はそれを受信してからデータの送信を開始します。
3.RS232Cの伝送距離
RS232Cでは最大負荷容量が2500pFと規定されており、伝送距離と伝送速度が制限され
ます。インタフェースは、信号線と信号リターン線を使用して共通接地伝送形式を形成
する。この共通接地伝送はコモンモード干渉を起こしやすいので、ノイズ耐性は弱い。
確実なデータ伝送を実現するRS232Cの最大通信距離は15mです。RS232Cの長距離通
信には信号変換が必要です。
4.RS232C信号の変換種類
RS232CとRS485変換:RS485 長距離ネットワークを実現可能。
RS232CとUSB(VCOM)変換:USBシリアル コンバーター。
RS232CとRS422変換:RS232C機器間を最大1200mまで延長することが出来ます。
RS232CとEthernet変換:RS232Cとイーサネットを双方向通信させることが可能です。
RS232Cと光ファイバーの変換:RS232C機器間を最大120Km延長可能です。
RS232CとBluetooth(HID)変換:RS232CからBluetooth(HID)へのインターフェース変換。
RS232CとUSB(HID)変換:RS232C(シリアル)からUSB(HID)へのインターフェース変換。
RS232CとWiFi変換:RS232C 機器をWi-Fiで無線に接続可能なインターフェイスです。
RS232Cマルチプレクサ:1台のRS232C制御器で複数台の機器をコントロール可能です。
5.RS232Cの通信速度
従来の最速通信速度は20Kbpsでしたが、現在は10Mbpsに高速化されています。9600bps
は比較的一般的な通信速度です。
6.ピンの定義
9ピンーオスDTE配列 | 9ピンーメスDCE配列 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
番号 | 信号名 | 備考 | 信号方向 | 番号 | 信号名 | 備考 |
1 | CD | キャリア検出 | DTE←DCE | 1 | CD | キャリア検出 |
2 | RXD | 受信データ | DTE←DCE | 2 | RXD | 送信データ |
3 | TXD | 送信データ | DTE→DCE | 3 | TXD | 受信データ |
4 | DTR | データ端末レディ | DTE→DCE | 4 | DTR | データセットレディ |
5 | GND | 信号用接地又は共通帰線 | - | 5 | GND | 信号用接地又は共通帰線 |
6 | DSR | データセットレディ | DTE←DCE | 6 | DSR | データ端末レディ |
7 | RTS | 送信要求 | DTE→DCE | 7 | RTS | 送信可 |
8 | CTS | 送信可 | DTE←DCE | 8 | CTS | 送信要求 |
9 | RI | 被呼表示 | DTE←DCE | 9 | RI |
25ピンーメスDTE配列 | 25ピンーオスDCE配列 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
番号 | 信号名 | 備考 | 信号方向 | 番号 | 信号名 | 備考 |
1 | FG | - | - | 1 | FG | - |
2 | TXD | 送信データ | DTE→DCE | 2 | TXD | 受信データ |
3 | RXD | 受信データ | DTE←DCE | 3 | RXD | 送信データ |
4 | RTS | 送信要求 | DTE→DCE | 4 | RTS | 送信可 |
5 | CTS | 送信可 | DTE←DCE | 5 | CTS | 送信要求 |
6 | DSR | データセットレディ | DTE←DCE | 6 | DSR | データ端末レディ |
7 | GND | 信号用接地又は共通帰線 | - | 7 | GND | 信号用接地又は共通帰線 |
8 | DCD | キャリア検出 | DTE←DCE | 8 | DCD | キャリア検出 |
15 | ST2 | 同期式(BSC)機器にのみ使用 | DTE←DCE | 15 | ST2 | 同期式(BSC)機器にのみ使用 |
17 | RXC | 同期式(BSC)機器にのみ使用 | DTE←DCE | 17 | RXC | 同期式(BSC)機器にのみ使用 |
20 | DTR | データ端末レディ | DTE→DCE | 20 | DTR | データセットレディ |
24 | ST1 | 同期式(BSC)機器にのみ使用 | DTE→DCE | 24 | ST1 | 同期式(BSC)機器にのみ使用 |